わたしの容れもの (幻冬舎文庫)

いかんせん、自分は「老い」より先に「病」になってしまったからか、「その程度？けっ」位な感じに読んでしまった。やみくもにムカつく部分もあったりして。普通にゆるやかに基本健康で老いてちょっとずつ衰えてくのを実感してれば楽しく読めたんだろうと思う。が、早い内にいきなりどーんと悪くなって、いわゆる症状が「安定」しても、痛いのや苦しいとかが「感じない時間は寝てる時だけ」だと、すっとは読めないモンだなあ…食わなきゃどこまでも痩せる。内臓こんなうすっぺったらなトコに全部本当に入ってるの？って位になっても、食わなきゃどんどん恐ろしいほどに減る。そうなると検査も大変。マンモなんか挟む皮がなくなる。造影剤注射するのに血管弱ってると十数回刺される。エコ―すらプローブが肉にゴリゴリ当たって痛くて涙出る。レントゲン台に横たわるだけで肉が無くなった身体だとあちこちの骨に直接響いて、ゴリゴリ痛。半端じゃない。あああ～…「普通の速度で老いたかった」と、病によって老いを先取りしてしまった身としては、面白おかしくは読めなかった。あ、生活習慣病ではないです。心因性でもないです。遺伝系で素因があって、発症の原因は不明の病です。ある日いきなり一気にきました。後は雪崩。ずらずら書きましたけど、「普通に歳を重ねて変わったり衰えて行ける人への妬み」です。何やかんや言っても基本的には楽しく読みました